妊活バイブル本の発刊に際して-妊娠についてきちんと考えてみましょう-
晩秋の高い空と紅葉がとてもきれいですね、東京の街中もよく見ると木の実や果実がみのっていて「実りの秋」を感じ嬉しい気持ちになります
すでにホームページでご紹介させていただいていますが、
11月21日に私の著書「パートナーと考える出産-妊活バイブル-」が発刊されました。
(写真は日頃から応援して下さっている方々と記念の1枚!)
ハマサイトクリニックでの日常診療で感じてきたこと、妊娠について知っておいてほしいこと、そして女性だけでなくパートナーである男性へもメッセージを送っています。
妊活習慣は健康的な生活習慣につながります。 妊娠を考えている皆さま、ぜひパートナーと一緒に読んでみてくださいね
~ 目次ご紹介~
第1章:今さら聞けない!妊娠基礎知識
第2章:不妊治療をもっと知ろう!
第3章:妊娠体質になるための、妊娠栄養学
第4章:食卓で妊活!妊娠力アップレシピ
第5章:医師が伝えたい、リアルな不妊治療の現場
第6章:不安も疑問も即解決!妊活Q&A
2012ピンクリボンガールズゴルフイベントに参加して-ピルの上手な活用法-
深呼吸したくなる秋空が広がってきましたね、今年3回目となる恒例の’ピンクリボンガールズゴルフ’のチャリティーイベントで講演をさせていただきました
今回は健診の啓発だけでなく、スポーツをされる活動的な女性の皆さまへ「上手に女性ホルモンと付き合う方法」の一つとしてピルの様々な活用法をテーマに取り上げました
欧米、ヨーロッパ諸国でピルの普及は数10~50%近くにのぼります
日本では数%にすぎません、これは避妊薬のイメージが強いからかもしれません
日常生活をより快適に過ごす選択として「ピル」についてぜひ皆さまに知っていただきたいと思います
~ ピルの種類と適応について~
・・・内服に際しては婦人科で気軽に相談してみましょう
・主にホルモンの量で適応が分かれます
・「早発閉経」や「プレ更年期」などホルモンバランスを整える際にも使われます
第52回日本婦人科腫瘍学会に参加して-子宮頸がんの予防と健診の大切さ-
初夏から学会シーズン到来です。今回は「日本婦人科腫瘍学会」にて発表をしてきました。
発表内容は’子宮肉腫’という悪性腫瘍に著効した新しいワクチン療法についてです。
真夏日の中、各地から多くの医師が集まり、活発な討論がされました。
明日への診療に直結する新しい知見も得て有意義な時間を過ごしました
※女性に最もポピュラーな子宮頸がんについて、予防や健診について知っていますか?
~ 子宮頸がんの予防・健診~
・・・学会でのトピックスも少々。。
【基本的なこと】
◇20~30代の癌では第一位、近年急増している
◇子宮頸がんの約3%は妊娠中の健診で発見される
◇発がん性のHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因
◇HPV感染を予防するワクチンがある
◇健診は子宮の入り口をこすって細胞をとるという簡単な検査で可能
【専門的なこと】
◇健診や治療後のフォローにもHPV検査を取り入れることが推奨される
◇前がん・初期子宮頸がんで子宮を温存した場合も長期に検診フォローが必要
◇閉経後の初期子宮頸がんは術式(子宮温存)について慎重な検討が必要
自治体の婦人科健診には子宮頸がん健診が含まれていますし、会社健診でも行うことが多いでしょう。とはいえまだ日本では健診率が低く、妊娠を契機に発見されることも少なくないのです。
もしまだ検査を受けたことがない方は、とても簡単な検査ですから一度受けてみましょう。また、健診の際にHPVチェックを加える(自費)、HPV予防ワクチンを接種することもお勧めです。10代の公費助成対象でなくても予防効果がありますので個別にかかりつけ婦人科医師に相談してみるといいでしょう。
予防ができる唯一の癌、女性の皆さまにぜひ知っておいて頂きたいです
婦人科健診の受け方・選び方-これだけは知っておきましょう-
新緑のきれいな爽やかな毎日、様々なスポーツシーズンの到来ですね。皆さまは何か運動をされていますか?
私は一昨年から婦人科健診の受診向上を目的とした’ピンクリボンガールズゴルフ’のイベントに参加させていただいています。以来、ゴルフの楽しさにはまっています
さて先日、友人たちとの会食で「婦人科健診ってどこに行ったらいいのか、何の検査をうけたらいいのか迷ってしまう、、」ということが話題になりました。
会社で決められた健診を受けるかた、個人で探して受診するかた、症状があって外来も受診したいかた、様々でしょう。
※皆さまご自身が受けられている婦人科健診は十分でしょうか?
~ 婦人科健診 のこれだけは知っておきましょう ~
・・・ここでは最小限、受けておいてほしい検査についてあげてみました
◇子宮がん検診
・一般には「子宮頸がん」子宮の入口にできる癌の検査です
⇒会社や市・区の健診の多くがこちらをさします
内診(腟からの診察)により細胞を採取、数分で終了します
20~30代女性で急増しており、症状がなくても毎年受けておくことをお勧めします
・子宮の奥の「子宮体がん」は一般健診では実施しないことが多いです
若いかたは発症が少ないので、症状がなければ特に受ける必要はないでしょう
閉経期のかた、不正出血があるかたは外来受診にて検査が必要か相談してみましょう
◇乳がん検診
乳がんを早期に見つけるには、必ず画像検査「マンモグラフィー」または「乳腺エコー」を併用しましょう
◇子宮・卵巣の異常を早く見つける「経腟エコー検査」
子宮がん検診では内診といって触診をすることで、子宮や卵巣の異常を見つけることもできますが、小さな変化やわかりづらい変化もあります
経腟エコー検査を毎年の検査に取り入れることで、様々な婦人科の病気の早期発見につながります
◇アフターフォローが大切
健診を受けたら必ず結果を確認しましょう
そして、受けた検査結果以外に何か困っている症状はないでしょうか
婦人科健診をうけたら、それを機に困った時に受診できる’婦人科かかりつけ医’をつくりましょう
健診を受けた施設に婦人科外来があれば、同じ施設を受診されるのがよいと思います
婦人科外来の併設がない、また精密検査等が受けられないなどの場合は「備え」として受診先をさがしておきましょう
より有効な婦人科健診を受けるには、乳がん健診は画像検査も行う、また子宮がん健診の際に経腟エコー検査も併用することをお勧めします 会社などで検査内容が決まっているときは、オプションにつけるなど、健診先の医療機関へ相談してみましょう
女性ホルモンと上手につきあう方法-自分のホルモンはどうなっている?-
新年度がスタートしフレッシュマンの姿に元気をもらっています。
今年は例年よりも長く桜が楽しめたように思いますが、皆さまはいかがでしたか 写真はイギリスのコッツウォルズ、のどかな街中の桜がとてもきれいでした
これから健診シーズンが始まります、自分の身体を振り返るよい機会ですね。
月経不順が続いて妊娠ができる身体か心配、更年期がはじまっていないかな?など 婦人科健診でよくご質問をうけます。
心配な方は通常の健診に加え、血液検査でホルモン検査を受けてみるのもよいでしょう ホルモン値は数字で結果がでるので「なるほど!」と実感できますよ
※通常の健診では行っていないので婦人科外来で相談されることをお勧めします。
~測ってみるとよいホルモン~
◇月経不順・妊娠できるか心配なかた
・下垂体ホルモン
・甲状腺ホルモン
・卵巣ホルモン
◇更年期が心配なかた
・上記に加えて 骨代謝のホルモン(尿検査も加わります)
・・・女性ホルモンと骨の新陳代謝はお互いに作用しあっています・・・
女性は常にホルモンの波のなかで生活しています、自分のホルモン状態を知ることで
ホルモンの動きにあわせた生活リズムを作る、身体の不調などにも上手につきあえるようになります。
もちろん、検査結果により治療が必要なこともあるので、そこはしっかり主治医の先生と相談していきましょう
ウェルエイジングのための女性医療-発行本のご案内とメッセージ-
桜の開花の声が聞こえてきましたね
卒業シーズンに際し様々な感動の場面に遭遇し、胸がいっぱいになる今日この頃です
新年度はどんな1年になるでしょう
先日、私の恩師が監修された『ウェルエイジングのための女性医療』が発行されました。
私は「加齢・ライフステージ別にみる発症しやすい疾患・部位」という内容のコラムで分担執筆させていただきました。
女性医療に関連する各専門分野の第一人者の先生方が解説されたライフステージ別にみる女性の心身変化から女性特有疾患での医療の実際までが盛り込まれています。
専門的な内容で少し難しいですが、最新のトピックスも含まれており興味深いです。
◇女性医療とは?
~すべての女性がよりよい「ウェルエイジング」を重ねていくために~
人生90年時代、とくに女性においては生命長寿が獲得されていてもセルフエイジングに対する到達度は大差があります。
‘自立し生産的であること’=’健康で長生き’を続けるためには?
男女の健康管理はホルモンの動きの違いからも差があり、性差を意識した医療が必要です。
思春期から老年期までを一つの流れでとらえ、’健康で長生き’を続けるためのトータルな健康管理が女性医療です。
新しい健康管理の医療ともいえるでしょう。
☆このような背景から昨年には、’日本更年期医学会’が’日本女性医学学会’へ名称を変更しました。☆
◇ウェルエイジングのための女性医療
~OVERVIEW~ 今なぜ女性のウェルエイジングが必要なのか
第Ⅰ章 女医医療・医学とは
第Ⅱ章 女性の加齢とライフステージ
第Ⅲ章 更年期以降に発症しやすい3大疾患
第Ⅳ章 相互に関連する3大疾患
第Ⅴ章 ウェルエイジングのための女性医療・医学
出産時期の選び方-日本女性外科医会「女性外科医の子育て」に参加して-
立春をすぎても、まだまだ寒い毎日が続きますね。
花粉の飛散は例年より遅く少ないようですから、花粉症のかたには朗報でしょうか。
先日、日本女性外科医会の勉強会に参加してまいりました。最近では手術をバリバリこなす女性外科医も多くなりました。そのような背景から本会は女性外科医を様々な方面から支援する目的で発足した会なのだそうです。
また本会は文部科学省科研費補助をうけており、そのような研究活動をされてきた諸先生方に感銘をうける会でした。
— 今回のテーマは「女性外科医の子育て 私の場合」—
私は大学医局での経験から「産婦人科女性医師の大学医局復帰とスキルアップを考える-我が医局での試行錯誤から-」という内容で発表しました。
現在、産婦人科医師の女性比率は20~30代では7割近く、しかし40代になると現役女性医師数は激減します。中途リタイヤしてしまう女性医師が多いのです。これは他職種の皆さまと同様に出産・育児がおおきな要因です。
キャリアをつみながら出産・育児をしていくという環境整備が医療業界でも今や必至となっています。
研究会では外科医師というハードな業務、また留学やリサーチなどをこなしながらキャリアをつみ育児をしている、沢山の先生方の経験談~高齢妊娠、合併症妊娠、双子のお母さん、仕事との両立方法あれこれ・・・~を聞くことが出来、私自身も大きく勇気づけられました。
今回は産婦人科医としての視点もふまえて出産時期の選び方について私的にまとめてみました
◇卵子のアンチエイジング
「見た目」のアンチエイジングは可能ですが、残念ながら「卵子」はアンチエイジングができません。見た目が若々しくあっても身体の中の卵子のエイジングは逆らえないのです。
◇健康な卵巣を維持する
エイジングには逆らえない卵子ですが「健康な卵巣を維持すること」は妊娠有無にかかわらずとても大切です。子宮内膜症などの病気を早めに見つけ治療する、月経不順を放置しない、などといった対策をとることで「健康な卵巣を維持していく」ことはできます。そしていざ妊娠にむかうときの大前提となります。
また少数派ですが、エイジングする前に卵子を保存する、といった手段をとることも可能になりました。
◇妊娠するのによい時期は?
社会性や経済事情などを考えると20代半ば~30代前半と思います。
高齢妊娠は35歳以上をさしますが、これは染色体異常の割合とその検査(羊水検査)による流産の割合が逆転する年齢です。ですから、35歳以上の妊婦さんに羊水検査の実施を説明することになっています。実際、染色体異常が急増するのは40代以降です。
☆ちなみに、、、私の職種ではキャリアの問題もあり、研修時期(20代半ば:責任が少ないうちに産んでから頑張る派)と専門資格取得後(30代半ば以降:立場も経済的にも安定してから派)の2極化している傾向にあります。キャリア継続においては個々で大分差があるようです。☆
◇いつまで子供は産めるの?
受診者の皆さまからよく聞く質問の一つです。
妊娠する力、そして卵巣の重量は30代後半から急速に減少します。
実際、個人差がとても大きいのですが、最近ではキャリアを積んでから安心して妊娠を、という志向のかたも増えました。40代前半までは自然妊娠し正常分娩する方は少なくないです。
◇高齢妊娠について
どんな年齢層のかたにもリスクは伴いますが、あえて高齢妊娠にチャレンジする(もしそれ以前に妊娠する機会があるかたは)のは避けた方がよいでしょう。染色体異常の増加だけでなく、本人の身体へのリスク-妊娠・出産時の様々な合併症、育児にむかう体力など-が大きいからです。
出産時期の選び方、これは個人の自由です。
正しい認識があれば選択肢もひろがり、さらには自身の健康管理にもつながります。
「出産する、しない」ということは女性自身に選択権があると私は思っています。そして、迷っている方、進みたい方、どの世代の方も応援していきたいと思います。
男性更年期とホルモンの関係
2012年を迎えました。昨年の震災を経て「元気に過ごすことができる毎日」のありがたみを今一度深く感じています。
これまで、私の診療が婦人科中心のため、女性の健康にクローズアップしてきましたが、男性の皆さまにももっと元気になっていただきたい、と日頃から思っています。健診などでお会いする男性受診者の皆さまにはメタボ管理や禁煙のすすめ、など日々声をかけさせていただいています。
ここでは私なりにもう少し掘り下げて、男性ホルモンからみた健康管理について簡単にまとめてみました。
男女ともにパートナーシップの向上にも役立てれば、と思います。
◇男性ホルモン(テストステロン)の作用
男性ホルモンは性的作用のイメージが強いかもしれません。しかし血管や骨の健康、認知力の維持など、女性ホルモンのように広い作用があります。(表参照)
◇男性更年期障害
女性は50歳ころ(閉経の時期)から女性ホルモン(エストロゲン)が急減しますが、男性は20歳代をピークに男性ホルモン(テストステロン)は直線的に低下します。(図参照)
女性と同様にホルモン低下による中高年男性の一連の身体や精神症状を「男性更年期障害」といいます。
最近では女性医学学会などでも「男性の更年期にも注目してほしい!」という男性の声が聞かれるようになりました。
「男性更年期」は女性より早く始まるかたもいるかもしれません、そして悩みの中にいる男性も少なくないのでしょう。
◇LOH症候群
加齢にともなう性腺機能低下症、late onset hypogonadism (LOH) と国際的に呼ばれています。男性更年期障害のもっと専門的な定義ともいえるでしょう。
◎男性ホルモンの低下 ⇔ メタボリック症候群 ⇔ 性活動力低下(ED)⇔うつ・不眠
などいずれもが原因であり結果であり、相互に関連しているといわれています。
◇男性更年期・LOH症候群の診断と治療
血液中の男性ホルモン(フリーテストステロン)値を測る、質問票による点数化 など
ホルモン値が低ければ、男性ホルモン補充療法による治療を行いますが、ほかにも漢方療法、メタボの改善、ED処方などあわせて行うことで総合的な改善をはかることができます。
ハマサイトクリニックでは、インターネットからの申し込みにて男性処方の受付を実施しています(HOME へ)。直接外来でのご相談も可能です(男性医師希望も受け付けています)。
EDについては特別な既往がなければまず治療薬を内服してみるのもよいでしょう。
LOH症候群や男性更年期障害の専門治療は泌尿器科等の専門医にてご相談されることをお勧めいたします。
女性ホルモンの代替療法・ホルモンに代わる新しい治療
~女性ホルモンの代替療法・ホルモンに代わる新しい治療~
これまでご紹介してきた‘女性ホルモン療法’は治療だけでなく、生活習慣病予防や女性特有の心身コンディションを整えることにも大きな効果が期待できます。しかし、ホルモン剤を使いたくない方、乳がんや子宮体がんなどにかかったことがあり使用できない方、ホルモン剤と相性が合わないと感じた方などもいらっしゃることでしょう。
そのような方々へ、ホルモンに代わる治療もあることを知っていただきたいと思います。ここでは私自身の診療でも行っているホルモンに代わる治療をご案内いたします。もちろん、女性ホルモン治療中のかたも併用できます。
◇保険診療でおこなっているもの
①漢方薬
②自律神経調整薬
③睡眠改善薬
④抗うつ剤・安定剤
~ワンポイントアドバイス~ ○‘漢方薬’は個々の症状や体質をみて処方します。粉薬でにおいが強いものもありますが、副作用がほとんどなく安心して使用できます。 ○‘自律神経調整薬’は主に‘暑い・寒い’を感じる体温調節のバランスが崩れているときに使用します。 ○‘睡眠改善薬’は従来の睡眠導入剤とは異なり、‘メラトニン’という眠りのホルモンを活発にします。依存性や副作用の心配がない新しいお薬です。 ○ ‘抗うつ剤や安定剤’は、‘メンタルアンケート’などの調査票も使用し必要に応じて処方しています。
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◇自費診療でおこなっているもの
①高濃度プラセンタ点滴 ・・・プラセンタ3AとビタミンB群+C のカクテル ;4,200円
②ビタミン注射 ・・・ビタミンB群+C のカクテル ;濃度により 2,400~4,200円
③サプリメント ・・・大豆サプリメント(エクオール)
⇒現在モニターさまのみ、近日中市販予定
・・・ビタミン各種、コラーゲン、ヒアルロン酸、グルコサミン・コンドロイチン など
⇒美容目的・健康増進目的などにあわせ調合します
~ワンポイントアドバイス~ ○‘プラセンタ’は人の胎盤から抽出した薬です。もとは肝機能改善に使用されていました。 最近では美容のイメージが強いですが美肌・美白はもとより、抗炎症・抗酸化作用や更年期障害の治療として注目されています。注射で投与する ことで即効性が強まります。 ○‘大豆サプリメント’は女性ホルモン様作用を有することでよく知られています。実際は大豆の成分がお腹の中で‘エクオール’に変わることで効果を発揮します。 当院で使用しているのは直接‘エクオール’として摂取することで効果を発揮する新しいサプリメントです。 ○サプリメントは市販でも手に入りやすく、自由に選ぶことができます。中には主要成分の含有が少ないものもあり注意が必要です。市販サプリを多く使用している方は、一度かかりつけ医師に相談するとよいでしょう。 |
☆ここでご紹介したものは年齢を問わず、また男性の皆さまも行うことができます。
とくにプラセンタ・ビタミン注射は風邪予防や疲労回復、二日酔い対策など、日々ストレスの多いワーカーの皆さまに大変好評いただいております。点滴・注射の所要時間は約15分です。ご希望の方はお気軽に外来へお問い合わせください。
(※注射は初診のみ医師問診・初診料あり、ご予約は不要です)
新しい女性ホルモン療法(更年期以降の世代へ)
~新しい女性ホルモン療法(更年期以降の世代へ)~
閉経を迎えほっとする半面、女性ホルモンの低下が心配になるかたもいらっしゃるでしょう。確かに身体のなかは劇的な変化が始まり、心身のバランスを崩しやすくなります。
女性ホルモンの恩恵は大きく女性ホルモンが急減するこの時期から心身トータルのメンテナンスをしていくことが大切です。
上手にこの時期を乗り越えてワンランク上の余裕ある毎日を過ごしていきたいですね。
◇更年期のことばの由来
「更年期」というとなんだか特別なひびきを感じます。19世紀前半に「climacteric :更年期」は女性に特化した時期としてとらえられ「活力が衰え始める:40~60歳」を意味するようになりました。この言葉が日本に導入されたのは明治20年代後半の頃、辞典にのるようになったのは昭和7年頃。「更」には「かえる」「あらたまる」という意味があり「更年期」は「女性の一生において時が一回りし、別のものになる時期」を意味するのだそうです。
◇更年期と閉経、ホルモン治療研究のはじまり
ホットフラッシュ、発汗、動悸、頭痛・・等の症状は閉経「menopause :メノポーズ」の時期に認められる、この閉経前後5年程度の時期を「更年期」といいます。
19世紀後半からメノポーズの症状を改善するための治療に加え~若返り~を目的としたホルモンを卵巣から抽出し薬物として投与する研究がはじまりました。
◇ホルモン補充療法 ( hormone replacement therapy:HRT )
HRTは1940年ころからホットフラッシュ、泌尿器性器症状の改善目的にアメリカで導入されました。その後様々なリスクとベネフィットが明らかとされ1992年にHRTが臨床の現場に定着するようになりました。
◇HRTの副効用
更年期障害の治療のみならず、骨密度の増加、動脈硬化の進展をおくらせるといった生活習慣病の予防・改善に効果が認められています。皮膚に張りがでた、抜け毛が減った、爪が強くなった、関節痛が改善、気分が晴れやかになった、など身体全体の効果を実感されるかたも少なくありません。
◇HRTと癌のリスク
女性ホルモン(エストロゲン)と乳がんのリスクが取りざたされ、ご心配なかたが多いと思います。しかしHRTは5年以上の投与で乳がんリスクを上げる、とされており、またエストロゲン単独療法(子宮のないかたへの治療)ではリスクの関連はないと考えられています。一方、大腸癌、直腸癌のリスクはさげるという報告があります。
◇現在のHRTと使用のポイント
安全かつ高い効果を得るための工夫がされてきました。薬の種類も増え、個々の皆さまのニーズにあったものを選ぶことが可能です。使用ポイントを下記にまとめました。(☆)
すべてが当てはまるわけではないので、治療については必ず医師の指導のもと行っていきましょう。
☆副作用を軽くするHRTについて最近の知見☆
・閉経から早い時期に始める
・内服薬より外用薬
・長期になるなら低用量での使用
・黄体ホルモンは天然に近い製剤を選ぶ
◇ホルモン補充療法(HRT)のくすり
※子宮のあるかたは子宮体がん予防のため黄体ホルモンを使用します
※性器症状には局所に使用する外用剤もあります
※ホルモン補充療法(HRT)の薬剤は保険適応です
※既往症などで使用できない場合がありますので必ず医師の指導のもと治療しましょう
~ここまで、女性の世代別ホルモン療法についてご案内してまいりました
次回はホルモン以外の治療(代替療法)、そして男性更年期をテーマにあげていきたいと思います~
【Instagram】吉形医師による女性ホルモンお悩み相談室はこちら
更年期やデリケートゾーンケアをはじめ、人には聞きずらい女性特有のお悩みに寄り添えるような情報や豆知識を定期的にお届けしています