第52回日本婦人科腫瘍学会に参加して-子宮頸がんの予防と健診の大切さ-
初夏から学会シーズン到来です。今回は「日本婦人科腫瘍学会」にて発表をしてきました。
発表内容は’子宮肉腫’という悪性腫瘍に著効した新しいワクチン療法についてです。
真夏日の中、各地から多くの医師が集まり、活発な討論がされました。
明日への診療に直結する新しい知見も得て有意義な時間を過ごしました
※女性に最もポピュラーな子宮頸がんについて、予防や健診について知っていますか?
~ 子宮頸がんの予防・健診~
・・・学会でのトピックスも少々。。
【基本的なこと】
◇20~30代の癌では第一位、近年急増している
◇子宮頸がんの約3%は妊娠中の健診で発見される
◇発がん性のHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因
◇HPV感染を予防するワクチンがある
◇健診は子宮の入り口をこすって細胞をとるという簡単な検査で可能
【専門的なこと】
◇健診や治療後のフォローにもHPV検査を取り入れることが推奨される
◇前がん・初期子宮頸がんで子宮を温存した場合も長期に検診フォローが必要
◇閉経後の初期子宮頸がんは術式(子宮温存)について慎重な検討が必要
自治体の婦人科健診には子宮頸がん健診が含まれていますし、会社健診でも行うことが多いでしょう。とはいえまだ日本では健診率が低く、妊娠を契機に発見されることも少なくないのです。
もしまだ検査を受けたことがない方は、とても簡単な検査ですから一度受けてみましょう。また、健診の際にHPVチェックを加える(自費)、HPV予防ワクチンを接種することもお勧めです。10代の公費助成対象でなくても予防効果がありますので個別にかかりつけ婦人科医師に相談してみるといいでしょう。
予防ができる唯一の癌、女性の皆さまにぜひ知っておいて頂きたいです
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