胃がんにはピロリ菌感染が深くかかわっています。ピロリ菌感染のない人から胃がんが発生することはごくまれです。また、ピロリ菌感染によって胃粘膜の萎縮が進むほど、胃がんが発生しやすくなります。
胃がんリスクABC分類は、血液検査で胃がんになりやすい状態かどうかをA~D群の4群に分類する新しい検診法です。
総合判定 | 異常なし | 要精密検査 | ||
---|---|---|---|---|
A群 | B群 | C群 | D群 | |
正常な胃の状態 |
ピロリ菌が感染 |
炎症・萎縮が始まる |
胃の萎縮 |
|
ペプシノゲン検査(PG) 胃粘膜萎縮の程度を測定します |
陰性 | 陰性 | 陽性 | 陽性 |
ヘリコバクター・ピロリ(Hp) ピロリ菌感染の有無を調べます |
陰性 | 陽性 | 陽性 | 陰性 |
胃がん発生リスク | 非常に低い | やや高い | 高い | 非常に高い |
胃がん発生頻度/年 | ほぼ0 | 1,000人に1人 | 400人に1人 | 80人に1人 |
※出展 三木一正 胃がんスクリーニングのハイリスクストラテジーに関する研究
厚生労働科学研究費補助金第3次対がん総合戦略研究事業
胃がんリスクABC分類はがんそのものを見つける検査ではありません。近年、ピロリ菌に感染していないA群の割合が増えており、多くのA群の人たちが内視鏡による精密検診を受けないで済む点が大きなメリットです。 B~D群の方は、胃がんの存在を確かめる精密検査(内視鏡検査等)が必要です。
吉形 玲美(よしかた れみ)/日本産科婦人科学会 産婦人科専門医(医学博士)
東京都出身・1997年東京女子医科大学医学部卒業
同大学産婦人科の臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、
女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。
東京女子医科大学准講師を経て2010年より同大学非常勤講師。女性予防医療を広めたいという思いから、
同年7月より浜松町ハマサイトクリニックに院長として着任。
現在は同院婦人科の医師として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。
更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。
40代以降の女性の健康の鍵を握る成分として注目される「エクオール」においては、
世の中に広く認知される以前からその臨床研究をリードしており、更年期医療に注力している。
医学博士、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医、日本産科婦人科栄養代謝研究会幹事
当院は健康診断・人間ドック、外来診療の両方に力を入れております。とくに当院オリジナルの女性世代別健診・レディースドッグにおいては女性の専門医・女性スタッフが対応いたします。また健診後は男性・女性ともに当院の内科や婦人科外来診療による継続的なアフターフォローが可能です。
健診・人間ドッグでは、一度の検査で、簡便に、より多くの情報をお伝えできるよう、日々新しい検査項目をご提案させていただいております。「胃がんリスクABC分類」も血液検査でわかる有意義な検査の一つです。従来の健診・ドッグにオプションで追加も可能です(4,200円税込)。皆さまの健康管理の一つとしてぜひご活用ください。
胸部レントゲン・心電図・血液検査・腹部超音波・大腸(便潜血検査)・眼底検査などを含んだスタンダードな人間ドックコースです。胃の検査は胃がんリスクABC分類になります。生活習慣病が気になる方や、初めて人間ドックを受ける方、胃カメラやバリウムが苦手な方にお勧めです。
≪ABC分類検査内容詳細≫
ABC分類による胃粘膜リスク検診は採血のみで、ヘリコバクター・ピロリ(Hp)菌感染による慢性的な胃粘膜萎縮とその萎縮の伸展度を示すペプシノゲン(PG)値から胃がんの高リスク群を拾い上げる方法です。
当クリニックでは内科、消化器科、婦人科など外来診療も併設しておりますので、検査結果で指摘された項目の治療、再検査、精密検査、経過観察も対応可能です。また、必要に応じて専門の高度医療機関へのご紹介も行っています。
≪ABC分類検査で異常が見つかった場合≫
B群(PG-,Hp+)ではピロリ菌感染を認めるため、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)をしていただきピロリ菌感染胃炎を認めれば除菌療法(保険適応)をお勧めいたします。C群では内視鏡検査後、潰瘍などの治療を必要とする疾患がなければ除菌療法を行ってください。D群の方は胃粘膜萎縮が強く胃がんの高リスク群であるため逐年の内視鏡検査が必要となります。(消化器の専門医がいる東京ダイヤビルクリニックをすぐにご紹介させていただきます)
人間ドックのほかの血液検査と同時に、一度の採血で行いますので、別途検査をお待ちいただく必要がありません。
バリウムや胃カメラは、今ある腫瘍を見つけるための検査ですが、胃がんリスクABC分類は胃がんになりやすいかを判定するものです。検査結果がB~D群であっても必ず胃がんになるということはありません。
リスク判定が困難である、もしくは治療が優先されるなどの理由から、以下の対象除外項目に該当する人は原則検診対象外者となります。
・胃の病気療養中の方・胃切除後の方・ピロリ菌除菌治療を受けた方・胃酸を抑える薬を服用中の方・腎不全の方
検査項目
■基本検査等:診察・問診、計測(身長・体重・視力・聴力・血圧・BMI・腹囲)、尿検査(糖・蛋白・潜血・沈査)、大腸検査(便潜血2日法)
■血液検査:肝機能検査・脂質検査・腎機能検査・膵機能検査・痛風検査・貧血検査・糖尿検査・ 抹消検査・免疫・感 染 症
■胸部:胸部Ⅹ線直接撮影
■循環器:心電図検査
■腹部:胃がんリスクABC分類(血液検査)、腹部超音波(肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓)
■その他:眼底カメラ撮影、呼吸機能検査
※胃がんリスクABC分類検査に適さない方
・胃の病気療養中の方・胃切除後の方・ピロリ菌除菌治療を受けた方・胃酸を抑える薬を服用中の方・腎不全の方
当院では、オフィスビル内にありながら、広いスペースを持ち、充実した検査器機・設備を備え、健診・ドックなどの予防医療の充実化を図っております。また、健診・ドック後の二次検査等のフォロー体制もございます。
外来診療科目は、内科はもちろんのこと、婦人科、整形外科などの外来も行っています。