最近のホルモン補充療法(HRT)(1) -新たな効用の報告-
更年期障害の代表的な治療「ホルモン補充療法( hormone replacement therapy: HRT)」
HRTは症状を有する閉経後女性の第一選択薬として国際学会で認められています。
更年期障害の治療以外にも副効果として、骨量増加・動脈硬化改善などが知られていますが、最近ではまた新たな効用が報告されています。
~睡眠に対する影響~
HRTを行った人は、行わなかった人と比べて「夜間覚醒=夜中に目が覚めてしまう」と
「再入眠困難=目が覚めてまた寝入る」リスクが低いという報告がありました。
HRTには「より質の良い睡眠」を得る効果があるということが示されています(図☆)
~筋力に対する影響~
一卵性双生児で検討した研究、HRTを行ったほうが垂直跳びの高さが高く、最大歩行スピードが速かった、ということからHRTが「体力」「筋力」に効果があると考察されています。
~死亡率~
2009年の報告、HRT施行者の相対危険度(非施行者を1としたときの割合)は0.72、
HRTによって死亡リスクは約3割減少することが示されました。
HRTはそのベネフィットとリスクを知って、正しく使用すれば様々な恩恵をうけることができる治療です。迷っていたらまず専門医を受診し相談してみましょう
【Instagram】吉形医師による女性ホルモンお悩み相談室はこちら
更年期やデリケートゾーンケアをはじめ、人には聞きずらい女性特有のお悩みに寄り添えるような情報や豆知識を定期的にお届けしています